右と左の大きさがちがうのか、どちらか一方の”たま”が他方の”たま”より下がっているー例えば風呂上りに鏡の前で、あるいは彼女にまじまじと観察されて、不思議に思ってる男性は以外に多いのではないでしょうか。
実際、左右の睾丸の位置が均等に垂れ下がっているという例はごくまれで、人間の顔が左右非対称であるのと同様、ほとんどの男性が睾丸は左右不ぞろいです。
それも、左下がりというタイプが圧倒的に多いのです。これには二つの説があります。
一つは利き腕との相関関係。
最も多い右利きの場合、利き脳である左の大脳半球が、多くの信号を右の睾丸を吊り上げている筋肉に送り、緊張が高められます。そのため、右側の睾丸が左側よりやや上方に位置しているといいます。
二つ目は血管の影。
睾丸の中を通る血管が、ちょうどお腹のあたりで腹部大静脈という大きな血液の流れに合流します。このとき、右側の血管に比べて左側の血管はどういうわけか合流角度がスムーズでなく、そのために血液の流れも滞ってしまいます。その結果、左の”タマ袋”の中の血管はふくれ上がって太くなり、睾丸は重くなってたれ下がるというのです。
いずれにしても、一方の睾丸が下がっているというのにはレッキとした構造上の理由があるわけで、病気でも異常でもありません。誤解していた人はご安心下さい。
さて、話ついでに睾丸とは実際どういうものなのか、そのあたりにも触れておきます。
睾丸は光沢のある白膜でおおわれた楕円形で、20%の固形物質と80%の水分からなります。
ちなみにこの睾丸1個の平均容量は10~11ml、重さは20g前後とされていますが、個人差もはなはだしく、人種間でもまたかなりの差があります。一般に、黒人のそれは日本人のよりも大きく、コーカサスの男性の睾丸は日本人の二倍近い重量があるといいます。
ただ漫然とぶら下がっているだけと思われがちな睾丸ですが、これだけでも知識があれば、少しは愛着もわいてくるのではないでしょうか?